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初めての公共受注 / PRACTICAL GUIDE

清掃業は実績なしでも入札できる?
公共受注が初めての会社の案件選び

民間のオフィスや店舗を清掃してきた会社が、初めて官公庁の仕事を探すとき、「公共案件の実績がないから無理」と決めてしまうことがあります。ただし、公共の受注歴がないことと、必要な清掃実績そのものがないことは違います。応募先を選ぶ前に、自社に足りないものを整理しましょう。

事務所で過去の業務資料と応募条件を一緒に確認する清掃会社の担当者

先に結論

公共の受注歴がなくても検討できる場合はあります。案件が求める「実績の範囲」が判断の分かれ目です。

民間の清掃実績を認める募集も、官公庁の受注実績を条件にする募集もあります。まず公告で発注者・作業・規模・期間・元請等の指定を読み、自社の契約資料と照合します。会社の資格登録、現場を履行できる体制、実績の証明はそれぞれ別の確認事項です。名簿に載れば必ず参加できるわけではありません。

建物・施設の清掃案件を探す 案件概要の閲覧は登録不要
目次から読みたい箇所へ
  1. 「実績なし」を3つに分ける
  2. 会社の資格登録と、案件の実績審査は別に進む
  3. 民間実績が対象になる例:厚木市の清掃等業務委託
  4. 官公庁実績を求める例:我孫子市水道局の終了公告
  5. 既存の仕事を「証明できる実績」に整理する
  6. 候補を「検討・確認待ち・見送り」に分ける
  7. 不明点は、資料の箇所を添えて質問する
  8. よくある質問
  9. 参考にした公式資料

1. 「実績なし」を3つに分ける

この記事は、清掃業務の経験を公共案件へつなげたい経営者・営業担当者向けです。最初に「何の実績がないのか」を言い換えてください。これが曖昧なままだと、検討できる募集を除外したり、証明できない案件に時間をかけたりしやすくなります。

自社の状況確認する条件次の準備
公共受注は初めて民間実績も対象か、官公庁に限定するか既存の清掃契約を作業別・規模別に整理
求められる同種業務の経験がない日常・定期・高所・病院などの対象範囲自社の経験と合う別の作業・施設を探す
作業経験はあるが資料が不足契約書、仕様書、完了資料など何が必要か既存資料を集め、代替資料の可否を発注者へ質問

例えば、店舗の日常清掃を長く続けていても、病院清掃の継続実績を求める公告をそのまま満たすとはいえません。反対に、公共施設での経験がなくても、募集側が民間施設の同種業務を認めていれば、他の条件と合わせて検討する余地があります。

以下の表や手順は、編集部が応募候補を整理するために作った参考です。参加資格の正式な判定や発注者の指定様式ではありません。

2. 会社の資格登録と、案件の実績審査は別に進む

入札参加資格の名簿は、案件を検討するための入口になることがあります。一方、実際の募集では、同種業務の受注歴、所在地、責任者、事業登録などが追加条件になります。「資格を取得できた」と「この清掃案件に応募できる」を同じチェック欄にしないことが大切です。

新しく設立した会社についても、自己判断で資格申請を諦める必要はありません。全省庁統一資格の申請書記入要項には、新設で決算書がない法人・個人の提出方法が案内されています。これは新設事業者の書類を扱う手順であり、資格付与や個別案件への参加を保証するものではありません。公式記入要項15ページで新設事業者の添付方法を確認

また、資格の申請受付と有効化にも時間差があります。随時審査の公式案内では、資格は審査後に付与された時点から有効になるとされています。案件の締切直前に資格申請を始めると、確認や補正の余裕がありません。案件調査と並行して、登録先・書類・申請状況を管理しましょう。

資格制度全体の違いは清掃入札の参加資格ガイド、国の資格の準備は清掃会社向け全省庁統一資格ガイドで確認できます。

3. 民間実績が対象になる例:厚木市の清掃等業務委託

厚木市の令和8年度の執行方法では、実績として民間の契約も対象にしています。ただし、金額・期間・業務内容を契約資料で確認できることなどの条件があります。民間実績が認められることと、民間で清掃した経験なら何でもよいことは同じではありません。

同資料では、実績の対象期間を過去10年間とし、設計金額に応じた規模の基準も設けています。設計金額1,000万円以上の業務には10か月以上の継続実績という条件があり、履行中の契約についても既に10か月以上実施している場合の扱いが記載されています。厚木市の公式資料1ページ:実績要件

この例を読むときは、「民間可」の一文だけを抜き出さず、自社が契約した清掃の内容、対象期間、金額の数え方まで戻って確認します。所在地や事業所の資格等の要件も別にあるため、実績だけを満たしても確認は終わりません。

ここで紹介しているのは2026年10月27日に確認した令和8年度の運用資料です。特定の募集中案件を紹介するものではなく、ほかの自治体に共通する条件でもありません。対象案件と追加条件は厚木市の案内と個別公告で確認してください。

4. 官公庁実績を求める例:我孫子市水道局の終了公告

我孫子市水道局の「水道局庁舎清掃業務委託(長期継続契約)」は、2026年3月24日に開札された終了案件です。実績条件の違いを読むための過去例として取り上げます。現在の応募先として案内するものではありません。

公告10ページでは、指定された登録業種について、公告日から過去5年以内の官公庁の受注実績を求め、契約書の写しを添付する条件が示されています。民間の仕事だけを行ってきた会社が、前節の「民間実績可」をこの案件へ当てはめることはできません。我孫子市水道局の公告10ページ

この公告には、名簿の業種、所在地、事業登録や配置に関する資料の条件もあります。実績に合わない案件を見つけたら、価格作成へ進む前に検討を止め、その理由を一行残すと次回の候補選びに使えます。

受注結果は同局の2026年3月24日開札結果で公開されています。ただし、落札者がいたことから新規会社でも参加できたと推測したり、今回の条件が次年度も同じと判断したりしないでください。過去資料は、発注先の傾向と必要な準備を調べる材料です。

5. 既存の仕事を「証明できる実績」に整理する

初めて公共案件を検討する会社は、新しい営業資料を一から作る前に、いま手元にある契約書・注文書・仕様書・作業報告を集めます。以下は編集部による実績一覧の作り方です。どの書類が正式な証明になるかは、それぞれの発注者の指定で確認します。

記録項目具体的に書く内容確認時の注意
契約した当事者自社の契約名義、発注者、元請・下請の関係担当者個人や前職の経験と、自社の契約を分ける
実施した作業日常清掃、床洗浄、窓清掃などの範囲契約名だけでなく仕様が分かる資料を添える
規模と期間対象面積・施設数・契約額・履行期間単年額と複数年総額、完了済みと履行中を分ける
証明の所在契約書等のファイル名、該当ページ提出指定の資料がそろうか、不足箇所を残す

複合契約で警備・設備管理も請け負っている場合、総額をそのまま清掃の実績額として記載できるとは限りません。必要なのが清掃部分の額なのか、複数の主要業務の実績なのかを確認します。既存資料に内訳がなければ、推計で断定せず、認められる示し方を質問事項にしてください。

契約資料には取引先の情報が含まれます。必要な添付範囲と提出先を確認し、公開用の営業資料と、審査先へ提出する資料は分けて管理すると扱いやすくなります。

6. 候補を「検討・確認待ち・見送り」に分ける

最初の案件選びでは、落札額の低さや知名度から決めるよりも、自社の業務と条件が合う候補を残すことを勧めます。次の順番なら、価格を詳しく作り始める前に、大きな不足を見つけられます。

  1. 参加手続きが残っているか:入札日だけでなく、資格確認・説明会・参加申請など先に来る期限を確認します。
  2. 実績の条件に照合できるか:官公庁限定か民間可か、対象期間・作業・規模・契約形態を読みます。
  3. 他の資格と所在地を満たせるか:名簿、等級、拠点、登録、配置予定者を確認します。
  4. 履行を続けられるか:勤務時間、欠員時の対応、必要機材、既存現場との両立を整理します。

確認できた候補を「検討」、原文の解釈や資料が不足するものを「確認待ち」、明確に不足するものを「見送り」と分けます。これは編集部の社内管理案で、発注者の審査結果ではありません。確認待ちを自動的に参加可として扱わないことが大切です。

少額の募集や見積合わせにも独自の条件があります。「少額なら実績不要」「D等級なら誰でも入れる」といった決め方はしません。金額・方式にかかわらず、その募集の条件を確認します。

7. 不明点は、資料の箇所を添えて質問する

発注機関へは「うちでも参加できますか」だけでなく、公告のどの条件について、どの自社資料で判断に迷っているのかを具体的に伝えます。下記は質問内容を整理するための編集例で、正式な質問書ではありません。指定の様式・方法・期限がある場合はそちらに従います。

質問を整理する例

「公告の実績条件について確認です。当社は民間の事務所清掃を継続して行っています。契約書と仕様書に作業範囲・期間・金額が記載されています。この契約は、指定された同種業務実績の対象となりますか。追加で必要な資料があればご教示ください。」

質問後は、回答の掲載場所・回答日・自社への影響を記録します。口頭で聞いた内容だけで条件を広げず、全参加者向けの回答や訂正資料が公表されていないかも確認してください。

初回は、手当たり次第に応募するよりも、自社が普段行う清掃に近い候補を選び、実績表と公告を照合するところから始めましょう。建物・施設の清掃案件を探すと、対象地域・作業をさらに絞れます。案件の掲載訂正やサイトの操作は運営窓口、正式な参加条件は各発注機関へお問い合わせください。

FAQ

よくある質問

官公庁から受注したことがなくても、清掃入札を検討できますか?

民間の同種業務実績を認める場合は、他の条件と合わせて検討できます。一方、官公庁の実績を指定する募集もあります。公共の受注歴がないことだけで全案件を除外せず、実績の対象範囲と証明方法を個別に確認してください。

新設会社で決算書がなくても全省庁統一資格を申請できますか?

公式の申請書記入要項には、新設で決算書がない法人・個人の提出方法が案内されています。必要書類を省略できる、資格が必ず付与される、個別入札にも参加できるという意味ではありません。最新の要項と申請窓口で自社の提出内容を確認してください。

社長や従業員の前職での清掃経験は、会社の実績にできますか?

会社の契約実績と、配置する人の経験・資格は別に確認します。前職の会社が受注した仕事を、そのまま自社の受注実績として扱わないでください。公告が誰の、どの経験を求めているか確認し、不明点は発注者に質問します。

下請で行った清掃も実績に使えますか?

募集条件によります。元請としての実績が必要なのか、下請の実績も対象になるのか、契約形態と証明書類を確認します。作業した事実があることだけで要件を満たすとは判断できません。

清掃実績を示す契約書が見つからない場合はどうしますか?

注文書・仕様書・報告書など保管資料を整理し、代替資料が認められるかを指定の質問手続きで確認してください。自作の実績一覧だけで足りるとは限りません。確認できない項目は未確認として扱い、期限前に不足を整理します。

OFFICIAL SOURCES

参考にした公式資料

以下の一次資料をもとに編集部が整理しています。比較表・チェック表は編集部作成の参考資料です。資料ごとの確認日を示しています。参加条件や募集状態は最新の公式原文でご確認ください。

  1. 厚木市:令和8年度清掃等業務委託の入札執行方法について確認日:2026-10-27
  2. 厚木市:令和8年度清掃等業務委託における入札執行方法(1ページの実績要件)確認日:2026-10-27
  3. 我孫子市水道局:2026年2月16日公告(10ページ・水26002の実績条件)確認日:2026-10-27
  4. 我孫子市水道局:2026年3月24日執行の開札結果確認日:2026-10-27
  5. 調達ポータル:申請書記入要項(15ページ・新設事業者の添付書類)確認日:2026-10-27
  6. 調達ポータル:各年度に有効な資格の審査申請について確認日:2026-10-27

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